雇用形態の違い

  • アルバイト・パートの場合
  • 派遣社員の場合
  • 契約社員の場合
  • 正社員の場合

アルバイト・パートの場合(パート社員)

アルバイト・パート共に雇用期間が短期間で、労働時間が短時間であることが前提となっていますが、アルバイトとパートの明確な定義の違いは労働基準法にはされていません。

両者の一般的な違いとしては、

<パート>

  • あらかじめ勤務時間に一定の区切りをつけた労働者
  • 基本的には一ヶ月当り、数十時間の勤務が多い
  • 同一の業務を行う事もある
  • 賃金は時給計算が多い
  • 企業によっては契約期間を定めたり、正社員になる前の試用期間・研修期間のみパートと言った扱いをする
  • 単純に短時間労働者全般のことを指す

<アルバイト>

  • 学生や主婦業などの「本業」を持つ人が副業、または臨時で仕事をすることをいう
  • パートに比べて労働時間が比較的短い
  • 1日や1週間などの短期間の仕事も多い
  • 専門的知識が必要な仕事は少ない

等があげられます。

アルバイトやパートのメリットとしては労働時間が短時間・短期間であることも多いため、自分のスケジュールが組みやすいことです。学生や副業として働きたい人に向いている雇用形態と言えるでしょう。

派遣社員の場合

派遣社員とは労働者派遣法に沿って、派遣元事業主と雇用契約を結び、派遣先事業主に派遣された労働者のことを言います。
フリーランスといった業務請負とは異なり、派遣先事業主の指揮命令に従って働きます。
正社員やパート、アルバイトが直接雇用と呼ぶのに対し、派遣社員は間接雇用と呼び、派遣先事業主にとっては必要な時に必要な人材を必要な期間だけ確保することができるので最近はこの雇用形態をとる企業が増えています。

派遣社員には3種類あります。

①特定派遣 雇用の安定した常用雇用労働者のみを派遣の対象とします

②一般派遣 登録型で、臨時や日雇いといった労働者を派遣するものです

③紹介派遣 一定期間派遣先企業での就労後に派遣先企業と派遣労働者の合意のもと、派遣先企業へ就職することを前提としたものです。

派遣社員のメリットには給与水準がアルバイトやパートと比べて高いことや自分の得意分野やキャリアを活かした業務に就けること、人間関係などに縛られにくい、などがあります。

契約社員の場合

契約社員は有期で働く労働形態です。
派遣社員と似ている部分もありますが、実際は何が違うのでしょうか。

一番大きな違いは、

<派遣社員> 派遣会社に登録し、派遣先事業主に派遣される

<契約社員> 業者や人材斡旋会社などを挟まずに直接事業主と雇用契約を取り交わす

ということです。

派遣社員の更新期間が3ヶ月、6ヶ月、1年なのに対し、契約社員は数ヶ月から1年ごとの更新となります。
給料は時給制・月給制・年俸制と様々で、昇給は自分で会社と直接交渉します。
派遣社員にボーナスはありませんが、契約社員には企業によってはあります。
契約社員は派遣社員より、雇用条件が企業によるところが多いです。
派遣の仕事内容は実に様々ですが、契約社員の仕事内容は専門性や技術力の高いものが多くを占めます。
自分の持っているスキルとレベル次第で、雇用主となる企業との雇用条件交渉も変わってきます。

正社員の場合

「正社員」という言葉はよく使われていますが、 実は労働基準法に正社員の明確な定義はありません。

ですが以下のような条件で働くことが正社員雇用と一般的に考えられています。

雇用期間 期間を定めない雇用
定年まで雇われる事が多いこともあるが、法律に定められた期間前に予告して退職を要求することもある

賃金 加齢とともに賃金があがる形態(いわゆる年功序列)が多い 近年では年功序列をとらない企業も増えている

昇進・昇格 ある一定の年齢になれば一定の役職に就ける場合が多い
総合職、一般職などの区分がある場合は総合職が最も昇進・昇格のスピードが速い
(非正社員に比べて)労働組合への加入率が高い

転勤 出向、転勤など企業内労働市場、企業グループ内労働市場の中での異動がある代償として、終身雇用が約束されていることが多い

日本では、専門的な職業を除いて正社員としての職歴以外は、労働市場において意味があるキャリアとして評価されないこともあります。

正社員で雇用される最大のメリットは定年までの雇用(例外を除く)という安定した雇用形態でしょうか。
その分企業も、本当に戦力になる人材を発掘するために、シビアな目で面接に来る求職者を見ているとも言えます。